住宅ローンの賢い返済方法。繰上返済とは?②~実際のイメージ~

住宅ローンの賢い返済方法。繰上返済とは?②~実際のイメージ~

繰上返済は元金返済に充てられるために、利子を減らす上で有効です。しかし、言葉だと実際的なイメージが難しいです。実際に計算すると、どの様になるのでしょうか?

計算の条件について

計算条件ですが、便宜上以下の通りとします。

計算サイト:繰上返済 シミュレーション | 高機能 ローン計算

借入金額:4,000万円
借入期間:35年
金利:1.5%で35年固定
ボーナス払い:無し
返済方法:元利均等

計算をしてみると…

前述の条件で計算をしてみます。計算は、繰上返済をしない場合、10年目に400万円返済する場合、20年目に400万円返済する場合、そして、10年目と20年目に200万円ずつ返済する場合について計算をしてみます。

繰上返済をしない場合

繰上返済を一切しない場合は以下の通りになります。

借入期間:35年(420ヶ月)
返済総額:5,144万円
支払い利息額:1,144万円
月額返済額:約12万円

10年目に400万円返済し、毎月の返済額を減らす場合

毎月の返済を減らす計算ですが、10年目に400万円の返済を想定しています。

借入期間:35年(420ヶ月)
返済総額:5,064万円
支払い利息額:1,064万円
月額返済額:1回目~119回目までが約122,000円、120回目が約4,122,000円、121回目~420回目が約106,000円

10年目に400万円返済し、返済期間を減らす場合

10年目に400万円返して、返済期間を縮める場合の計算です。

借入期間:約31年(374ヶ月)
返済総額:4,978万円
支払い利息額:978万円
月額返済額:約122,000円

20年目に400万円返済し、毎月の返済額を減らす場合

20年目に400万円を返済し、繰上返済後の返済額を抑える場合の計算です。

借入期間:35年(420ヶ月)
返済総額:5,097万円
支払い利息額:1,097万円
月額返済額:1回目~239回目までが約122,000円、240回目が約4,122,000円、241回目~420回目が約98,000円

20年目に400万円返済し、返済期間を減らす場合

返済期間を短縮の計算で、20年目に400万円の繰上返済を想定しています。

借入期間:約32年(381ヶ月)
返済総額:5,055万円
支払い利息額:1,055万円
月額返済額:約122,000円

10年目と20年目に200万円ずつ返済し、毎月の返済額を減らす場合

10年目と20年目に200万円ずつの繰上返済で、毎月の負担を抑える場合です。

借入期間:35年(420ヶ月)
返済総額:5,080万円
支払い利息額:1,080万円
月額返済額:1回目~119回目までが約122,000円、120回目が約2,122,000円、121回目~239回目が約114,000円、240回目が約2,114,000円、241回目~420回目が102,000円

10年目と20年目に200万円ずつ返済し、返済期間を減らす場合の計算

10年目と20年目に200万円ずつの繰上返済で、返済期間を短縮する場合です。

借入期間:約31年(377ヶ月)
返済総額:5,017万円
支払い利息額:1,017万円
月額返済額:約122,000円

トータルの支払いと利息を比較すると

利子の少ない順番で並べてみましょう。

No.1 … 978万円(10年目に400万円返済して返済期間を減らす場合)
No.2 … 1,017万円(10年目と20年目に200万円ずつ返済して返済期間を減らす場合)
No.3 … 1,055万円(20年目に400万円返済して返済期間を減らす場合)
No.4 … 1,064万円(10年目に400万円返済して毎月の返済額を減らす場合)
No.5 … 1,080万円(10年目と20年目に200万円ずつ返済して毎月の返済額を減らす場合)
No.6 … 1,097万円(20年目に400万円返済して毎月の返済額を減らす場合)

※ 繰上返済をしない場合の利息額 … 1,144万円

以上の計算結果から、トータルの利子の支払いを抑えるためには、「返済期間を減らす」ことと、「早い内の繰上返済」が有効であることが分かります。