鉄筋コンクリート造のメリットデメリットは?

鉄筋コンクリート造のメリットデメリットは?

鉄筋コンクリート造とは?

鉄筋コンクリート造とはRC構造とも呼ばれており、柱や梁、床に壁などが鉄筋とコンクリートで構成されたものを指します。RCとは、英語の『Reinforced Concrete』の頭文字を取ったものです。

鉄筋で組まれた型枠にセメント、砂利、水から作ったコンクリートを流して固めているため、強度は高めになっています。実は、この2種類だからこそ高い強度を出せるのです。そこにはそれぞれの特性の違いにありました。

・鉄筋・・・引張力(引っ張る力)には強い。しかし、熱によって変形しやすく錆びからくる老朽化も早い
・コンクリート・・・熱には非常に強い。しかし、引張力には弱い

といった風に、お互いがお互いの弱点を補える事が出来ます。熱に弱い鉄筋をコンクリートで覆う事によって、鉄筋は熱による変形や酸化を防ぎます。

その一方で、コンクリートは上からくる「圧縮」に対しては優秀な抵抗力を有していますが、引張力には弱い。それを鉄筋が補強する事によって圧縮にも引張にも耐える事の出来るのです。

弱点さえ無くなれば、この2つは非常に強固ですので、安全な建造物を建てる事が出来ます。

鉄筋コンクリート造のメリット・デメリット

メリット
・国が定める法定耐用年数は47年と長い
・断熱・気密性が高い
・耐火性能が高い
・耐震性が高い(※後述)
・壁が厚い事から遮音性が高い(※後述)

鉄筋コンクリート造で注目すべき最大のメリットは、全てにおいて強固だという事です。熱にも火にも地震にも強く、安心して住む事が出来ます。更に、気密性が高い事から省エネにも期待出来るので経済的にも助かります。

デメリット
・建築費用が木造や鉄骨造と比べて高い
・重量が重い
・気密性が高いため結露が発生しやすい
・増改築が難しい

デメリットは鉄筋とコンクリートの両方を使うため建築費用が高くなりがちという事、重量が重くなるためそれに耐えれるだけの土地を探さないといけない事、増改築には費用も時間もかかる事など管理者泣かせっていった感じです。

鉄筋コンクリート造の耐震性は?

日本は地震大国と呼ばれるほど地震が発生しています。小さいものから、阪神淡路大震災や東日本大震災などの大規模地震も多いです。近年は特に大規模地震の発生率が上がっており、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震が発生すると言われています。

そこで大切になってくるのが住まいの耐震性です。地震での被害は家屋の倒壊だけではなく、それによる火災などもあり得ます。そうした事から、法的な面でも耐震性には基準が設けられているほどです。

そんな地震に対して鉄筋コンクリート造は非常に強いとされています。実際に起こった大規模地震の被害も鉄筋コンクリート造が一番少なかったのです。阪神淡路大震災での被害の内、木造建築が7割だったのに対して鉄筋コンクリート造は約2割と、その差がよく分かると思います。

では、何故そんなにも地震に強いのか。それは、『モノコック構造』と呼ばれる方法を用いているからなのです。

コンクリートで作られた6面体となるモノコック構造では、外側からくる様々な力に対して、それを一点に集中させないように出来ています。それによって面全体に万遍なく力を分散し、高い強度で倒壊を防いでいるのです。

こういった点から、地震大国日本において、鉄筋コンクリート造の家屋に注目が集まっています。今後来るかもしれない大規模地震のためにも、鉄筋コンクリート造が増えていくと考えられます。

鉄筋コンクリート造の防音性は?

には、外部からの音エネルギーを遮断する効果があるため、防音性は非常に高いと言えます。もちろん完全防音とはいきませんが、交通量の多い道路が近くにあったとしても快適に過ごせるでしょう。

そこでには透過損失というものが関わってきます。180mmの厚さがあるコンクリートには、透過損失-50db以上の性能を有してます。交通量の多い道路が80dbだったとしても、室内に届く音エネルギーは30db程度まで抑えてくれるのです。

30dbとは、どれくらいの大きさの音なのでしょうか。深夜の住宅街の静けさと同じくらいなので、どのくらい防音されているか分かりますよね。鉄筋コンクリート造住宅では、床もコンクリートなので上下階の音も防音してくれます。

まとめ

いかがだったでしょうか?管理者には負担が大きいですが、住居者は安全で安心した暮らしが出来るので今後も住みたい!という人も増えていくと思われます。