マイホームを購入する際、気になるのが返済プランです。高額な借り入れでは返済が辛くなりますし、だからといって安い借り入れでは、マイホームの幅が狭まってしまいます。苦労を取るか夢を取るかで悩ましい所です。
そんな返済で悩む人のために、親子で返済する親子リレーローンプランというものがあります。親子で協力することでどのように楽になるのか、また、どのような負担をかけてしまうかなど、メリットデメリットを紹介します。
親子で協力する親子リレーローンとは
親子リレーローンとは、本人だけで返済を考えず、二世代(子供・孫・配偶者)まで返済を想定した住宅ローンプランの事です。
マイホームを購入した時期が高齢の場合や、収入が少なく一世代だけでは返済が難しい場合などに適用します。
親子リレーローンの条件
親子リレーローンは誰でも組めるわけではありません。以下の3つの条件すべてに当てはまる必要があります。
・リレーを引き継ぐ二世代目(子・孫・配偶者)に定期的な収入がある
・二世代目の申請時の年齢が70歳未満である
・連帯債務者がいる
言ってしまえば、「定期的な収入がある70歳未満の後継者がいる」ことが条件ということです。
親子リレーローンのメリット
親子リレーローンには以下のようなメリットがあります。
返済に余裕がある
親子リレーローンのメリットは、ローンの返済額を減らせることです。もし、ローン返済を一世代だけで行うことを考えると、ローンが重荷に感じてしまいます。高齢で契約するほど毎月の返済金額は辛くなり、最終的に家を手放したり、子供にローンを払ってもらう場合もあります。
ですが、親子リレーローンなら元々長期返済を予定していますので、毎月の返済負担はそれほどありません。高齢でも負担が少なく、体を大切にした無理のない返済をすることができます。
マイホームの選択が増える
一般的な住宅ローンには、「完済時の年齢が80歳を超えない」という条件が付きます。そのため、年齢によっては借りられる金額が少なく、マイホームの選択が制限されてしまう場合があります。
しかし、親子リレーローンの場合、二世代目がいますので、「年齢が80歳を超えない」という縛りがなくなります。単純に言えば、一般的なローンを45歳で借りると「80-45=35年」分しかローンを借りることができませんが、親子リレーすることで35年と二世代目の分を借り受けることができます。
ローン金額が増えてはしまいますが、その分、マイホーム選択に幅がうまれるのです。
親子リレーローンのデメリット
親子リレーローンは決してメリットだけではありません。デメリットもありますのでよく確認しておきましょう。
二世代目の了承が必要
当たり前ですが、二世代目を巻き込んだローンプランですので、二世代目の了承が必要になります。二世代目が払い続けられないようでは契約はできません。二世代目に内緒で勝手に契約もできませんの注意しましょう。
言い方が悪いかもしれませんが、連帯保証人に近い考え方です。
二世代目が新しいローンを組めない
親子リレーローンを組んでいる場合、共に登録している人は、新規住宅ローンを組むことができません。親子が対象で借り受けますので、子供もすでにローンを組んでいる状態になるからです。親からの住宅に住み続けるのなら問題はありませんが、結婚などによって引っ越しする場合は、返済しきるまでは購入が難しくなることを理解しておきましょう。
親子ペアローンとは
似たようなプランに親子ペアローンというものがあります。こちらは一世代から二世代に引き継ぐのではなく、親子同時に返済します。どちらのプランも親子が協力して返済しますが、こちらの方は子供と一緒に返済しますので、返済が早くすみます。
ただ、若いうちは結婚や出産など、様々な出費があります。そのような出費と合わせて、住宅ローンも支払わなければならないこと覚悟しておきましょう。
相続の注意点
基本的に相続には優先順位があり、その優先順位に従って土地や住宅が分配されますが、土地や建物の相続は親子リレーローンを組んだ子供が最優先となります。相続の事を失念してうっかり契約してしまうと、亡くなった後の禍の目になりますので注意してください。
一般的な対象者は子供や配偶者なため、気が付かない人も多いです。
親子リレーローンで協力すべきか
無理な返済プランを選択して体を壊すくらいなら、長期で返済できるプランの方がいいでしょう。借り受ける金額が増えますので、二世代目も住み続けられる、丈夫で良いマイホーム選びましょう。
ですが、同時に子供にローンの負担をかけてしまいます。返済しきれずに子供にローンを残してしまうのと変わりはありませんが、親子リレーローンは事前に想定してあるため、心構えや貯金などの準備ができます。
将来、子供に負担をかけても大丈夫かどうかをよく相談し、後悔しない住宅探しと返済プランを決めましょう。