住宅ローンの金利が違うとどれくらい返済額が違うの?

住宅ローンの金利が違うとどれくらい返済額が違うの?

住宅ローンの借入で一番気になるのが金利です。できるだけ少ない出費になるよう、様々な保険会社を調べ、金利が低い住宅ローンを探すことでしょう。

ですが、実際に金利が違うとどのような違いがあるのでしょうか?比べてみても0.1%前後の違いしかなく、あまり変わらないのではないかと思うかもしれません。

金利が変わると、どれだけ最終返済金額が変化するのかを例を挙げて説明します。

金利の例

実際に金利が違う例を紹介します。

例えば、「3,000万円を変動金利0.625%で35年間の元利均等返済」で借りた場合。毎月の返済額は79,544円になります。そして、最終的な返済総額は33,408,564円となり、3,408,564円が利息分です。
もし、金利が1%増え「3000万円を変動金利1.625%で35年間の元利均等返済」で借りた場合になると、毎月の返済額は93,703円になります。そして、最終的な返済総額は39,355,384円となり、9,355,384円が利息分です。

比較してもらうとわかりますが、0.625%では3,408,564円、1.625%では9,355,384円と、1%違うだけで5,946,820円も最終返済総額が変わってきます。

字面だけではたかだか1%ですが、住宅ローンは金額が大きく、期間が長いことから大金となります。

3,000万円を変動金利◯%で元利均等返済するケース比較 0.625% 1.625%
毎月の返済額 79,544円 93,703円
最終的な返済総額 33,408,564円 39,355,384円
利息分 3,408,564円 9,355,384円

 

住宅ローン契約の注意

住宅ローンは長期契約します。そのため、住宅ローンが変動か固定かで最終的に金利は大きく変わってきます。

例えば、金利が固定なら変動する要素がありませんので最終的な金利を計算しやすくなります。上記の「金利の例」のようにわかりやすいわけです。

一方、金利が変動だと、固定金利のように返済総額はわかりません。景気などによって将来的に金利が変わってしまう可能性があり、毎月の返済額が変化するからです。金利が下がるのなら良いですが、上がってしまうとその分、返済総額は上がります。契約当初は低くても、将来的に高くなる可能性があるのです。

住宅ローンを組む際の金利に注意するのも大切ですが、契約方法が変動か固定かで違ってきますので、住宅ローンを組む際は注意しましょう。

変動と固定はどっちがいい?

上記の例で見ると、金利が上昇する可能性のある変動の方がデメリットが大きく見えるかもしれません。ですが、必ずしも将来的に金利が上昇するわけではありません。景気が悪くなることで金利も下がるからです。特に、近年は景気が下り坂な傾向が強く、年々金利は下がってきています。そのため、変動の方が安い可能性が高いのです。実際に、2018年の住宅ローンでは変動金利で契約する人の方が多いという話もあります。

住宅ローンを契約する際は、将来を見据えて変動か固定かを選択しましょう。

ちなみに、住宅ローンで有名な「フラット35」は全期間固定金利です。変動に不安がある場合は、金利が固定のフラット35を一考してみるのも一つの手です。

長期固定金利を引き上げ

固定金利は変動金利とは違い、金利が変化しないことが特徴でした。ですが、2018年に「住宅ローン金利は長期固定金利を引き上げる」動きを鮮明に発表しました。内容は「長期金利について、多少の金利上昇を容認する」という単純なもので、上昇量についても、従来は0.1%の範囲に対して0.2%とほぼ変化はありません。そのため、長期固定金利を引き上げても、大して変化はないといわれています。

ですが、上記で説明したように、たかが0.1%の違いでも、最終返済金額でみると大きく変わってきます。ただ、あくまでも認めただけで、必ず上昇するわけではありません。認めた後も「短期金利は▼0.1%、長期金利は0%程度」という長短金利操作政策は行っていますので、それほど顕著には表れないと思われます。

それでも、金利が上昇する可能性があり、今後も、市場に変化が生じないと、また、上昇する可能性もあります。

変動金利ほど変化は大きくはないですが、固定金利でも金利は変動するのです。

将来的にどのように変化し続けるかはわかりませんが、将来、住宅という大きな買い物をする際に、損をしないためにも、日銀や市場の動きを意識することが大切です。