住宅ローンを決める際、気になるのが金利です。本来の金額よりも支払う金額が増える金利は、できるか限り低い方がいいに決まっています。ですが、不景気が続く現代社会では金利がどのように変動するかはわかりません。将来、どのように住宅ローン金利は変化していくのでしょうか?日銀の政策金利と共に考えてみましょう。
住宅ローン金利の変動理由
まずに、住宅ローン金利について簡単に説明します。細かな種類はありますが、大まかに「変動金利」と「固定金利」に分けて考えることが可能です。
変動金利
変動金利とは、景気によって金利が変化することです。金利は、国内の物価が上昇したり、円安になることで上昇します。大まかに言えば「国内景気が上昇し、金銭が市場に流出する」いわば、インフレ状態の時に上昇します。景気が良くなれば金利が高くなり、逆に景気が悪くなれば金利は安くなるということです。
固定金利
固定金利とは、金利が不景気などに影響せず、初めに適用された金利から変更がない金利の事です。変動金利とは違い、金利が変更しないため最終的な支払金額を計算することができます。景気が良くなり金利が上昇しても固定金利なら支払う金額は少なくてすむメリットがあります。一方で、逆に不景気で金利が低下している場合は、余分に金利を支払わなければいけないデメリットもあることを理解しておきましょう。
現在の住宅ローン金利市場
現在、住宅ローン金利を借りる人は、固定金利よりも変動金利で借りる人が増えてきています。これは単純に「景気が悪く金利が下がる」と予想されているからです。
実際に、2018年時の住宅金融支援機構の調査によると、過去五年ぶりに変動金利を選ぶ人が固定金利選ぶ人を上回ったと報道されています。年々変動金利で借りる人が増え、現在でも使う人が増えつつあります。
住宅ローン金利に対する日銀の働き
バブルが崩壊してから、日本の景気は右肩下がりで低下しつつあります。大勢の人が将来を心配し、貯金などをして資産を貯めこむようになっています。それにより、金銭が市場に流れず、さらに不景気となる負の螺旋状態になってしまっているのです。
もちろん、そのまま右肩下がりを容認しつつあるわけではありません。過去の政策を改善することで市場に流れる資金を2年で2倍にすることを目的とした「異次元緩和」や、金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと金利を支払わなければならなくなる「マイナス金利」などによって、資金をため込ませずに市場に流出させて景気を回復させようとしてきました。
また、現在でも「長期金利ゼロ%政策」など、様々な金融政策を修正し続けています。「景気上昇、しいては金利上昇」させるために、日銀は常に金利対策を行っています。
ただ、それでも思った以上の効果が出ていないことが悩ましい所といえるでしょう。
今後住宅ローン金利はどうなるのか?
現在、低下しつつある住宅ローン金利ですが、今後金利はどうなるのでしょうか。今後の予想としては、低下、あるいは停滞していくと考えられます。というのも、不景気が続き、将来どうなるかわからず貯金する人が増え、資金市場の流通量が停滞すると考えられるからです。
日銀だけではなく、安倍内閣が法案した「アベノミクス」などのデフレ対策も行われていますが、想定した結果にはなっておらず、未だデフレ状態が続いています。今後もこれらのようなデフレ対策を行い不景気を改変していくとは思いますが、すぐには上昇しないと思われます。
住宅ローンを借りる人からすれば、余計に支払う必要がある金利は少ない方がいいです。そのため、低下しつつある今の方がいいのかもしれません。ですが、金利が低いということは同時に景気が悪いとも言えます。将来の事を考えるのなら、金利が上昇すると共に景気が上昇した方がよく、悩ましい所です。
ただ、あくまでも予想で、将来どうなるかはわかりません。金利が上昇するか、それとも低下し続けるかは、今後の政権の変化や、日銀の改正によって変わってきますので、今後も注目するようにしましょう。