マンションの耐用年数ってどれくらい?伸ばすためにはどうする?

マンションの耐用年数ってどれくらい?伸ばすためにはどうする?

日本の鉄筋コンクリートの集合住宅の技術は突出していて、現在でも築50年超の建物が現役で使われている程の実績を誇ります。
それらを見れば、マンション建築に対する信頼性が高いことも分かりますが、自分でローンを組んで購入する部屋となると、意識がずいぶんと変わって来ます。
・・・このマンションの耐用年数、どれくらい?ホントに大丈夫?
今回はその疑問について考えてみます。

マンションの耐用年数

マンションの構造は鉄骨で造るS造、鉄筋コンクリートで造るRC造、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせたSRC造があります。また、最近では制振構造や免振構造を取り入れた建物もあります。
ここで気になるのが、それぞれの構造における耐用年数です。

主要部分の耐用年数

マンションの主要構造物は、鉄骨と鉄筋コンクリートになりますが、法的に耐用年数が定められています。この規定によると、大型のS造(鉄骨の肉厚が4mmを超える物)ならば34年、RC造ならば47年とされています。
しかし、これはあくまでも本当の寿命ではありません。実際に築50年を超える建物も現役で利用されています。
尚、鉄骨も鉄筋コンクリートもサビが問題になりますが、鉄骨の場合、表面には塗装等をして、サビにくい様にしています。また、鉄筋コンクリートの場合ですと、鉄筋はコンクリートに埋まった状態ではサビないので、安心して使うことが出来ます。

制震・免震部分の耐用年数

マンション等の建築物には、最近では制震構造や免震構造が採用されています。構造としては、制震構造がダンパーを筋交い状に配置して振動を吸収する方式で、免震構造が基礎部分の免震部材で振動を吸収する仕組みとなっています。
これらの装置は、主に金属やゴム等を組み合わせて作ってありますが、基本的に鉄骨や鉄筋コンクリートの耐用年数と同等、或いは長寿命と言われています。

エレベーター・防災設備等

エレベーターの様に日常的に稼動しなければならない機械設備や、災害時のための防火扉の様な防災設備は、「動かなくなった場合」が非常に危険になります。
と言うのも、エレベーターの場合は、不意のアクシデントのために、中に人が閉じ込められる事故が発生しますし、防災設備等の場合は誤作動が人命にダイレクトに関係します。
しかし、これらの設備は定期点検を前提にする設備なので、耐用年数を気にせずに使用することが可能です。

マンションはリノベーションで更に長く使える

住宅設備の多くは10年を区切りとして、老朽化が進み、故障の発生確率が高くなります。そこで検討されるのがリノベーションになります。リノベーションは「修繕」の意味よりも「価値のアップ」のニュアンスになりますが、マンションの場合は時には大胆な工事が行われます。

マンションのリノベーションについて

中古マンションの場合、設置されている住宅設備が古いタイプの場合があり、生活の快適性が今ひとつであるケースが見られました。また、間取りにしても畳敷きの間取りになっていて、今の住宅の様なLDKは多くはありませんでした。
そこで考えられる様になったのがリノベーションです。
マンションのリノベーションは、浴室やトイレ等の設備を新式にするだけでなく、時には壁の位置を動かして、和室の組み合わせであった間取りを、開放的な広いリビングに変えたりします。

価値をアップして寿命を伸ばす

中古マンションは価格的な魅力がありますが、設備が旧式の可能性があります。
しかし、敢えて中古のマンションを購入し、リノベーションをして、新築同様の内装に変えて生活をする人が増えています。
と言うのも、新築のマンションを買うよりも、中古マンションを購入してリノベーションをした方が、トータルの費用を抑えることができるからなのです。
リノベーションは建物の価値のアップの手段です。そして、マンションの寿命を伸ばす手段としても、有効な方法になるでしょう。