住宅購入はどれも安い買い物ではありません。数千万円は当たり前で、一生に一度の買い物である人がほとんどといえるでしょう。生涯住み続けられる住宅を購入するため、貯金し住宅ローンを契約するのです。
ですが、中には交渉をして、安く住宅購入をする人もいます。数千万円の高額の買い物ですから、少しでも安上がりにしたいのは当然といえます。
少しでも安く購入するためには、どのように交渉したらいいのでしょうか?値引き交渉のコツをご紹介します。
値引き交渉のベストタイミング
交渉を成功支えるためには、タイミングというものがあります。タイミングがズレても交渉はできますが、成功率を上げるためにも、タイミングを見計らうようにしてください。
値引きしやすい物件は?
どの物件でも値引き交渉はできますが、物件が売り出されて少し経過した売れ残りの方が交渉はしやすくなります。
販売店としては、ダブつくよりはすぐに販売したいと思うのが一般的です。売れ残った場合、管理もしなければなりませんので、早く購入者が来てほしいと願っています。
多少損をしても、商売人としては売れ残りが売れる方がいいです。購入してもらうためにも、多少の値引き程度は聞き入れてもらえるでしょう。
値引きを言うタイミングは?
値引きの意思を伝えるタイミングは、部屋の紹介が終わった時が良いです。紹介する前から「安くしてほしい」と駄々をこねるようでは、紹介する不動産屋は呆れてしまいます。
住宅の説明を聞いたうえで、「この物件が欲しい」という意志を見せれば、不動産屋も値引き交渉に応じてくれるでしょう。
どのように交渉すればいい?
値引きをお願いする際は、素直に「値引きしてほしい」「安くならない?」と話してしまって構いません。不動産は値引き交渉に慣れていますので、「値引きしたい」とそのまま話しても嫌な顔せず対応してくれます。誰だって、少しでも安く購入したいと思って値引き交渉しているということです。
むしろ、不動産によっては「値引き交渉はしないでいいの?」と思う場合すらあります。日本人は相手を気遣い言わないことが多いですが、損をしないためにも聞いてみましょう。
値引きしてもらうコツ
値引きには、コツというものがあります。ただ、がむしゃらに「安くして」というのではなく、コツを押さえて交渉しましょう。
好印象を与える
誰だって、無礼な人より礼儀正しい人の方が好感が持てます。好感が持てる人の方が、「力になってあげたい」と思うのではないでしょうか?
しっかり値引き交渉に応じてもらうためにも、礼儀正しく、そして誠意をもって交渉人に接しましょう。
欲を張らない
交渉する際、可能な限り値引いてもらいたいのが人間のサガです。数百万はもちろん、可能ならば半額にしてもらいたいと思う人は多いと思います。
ですが、欲張りすぎるのは厳禁です。基本的に割引行為は損でしかなく、完全な善意から成り立ちます。その善意をないがしろにしないためにも、決して欲張ってしまってはなりません。無遠慮な人に対して、わざわざ値引いてあげる人は少ないでしょう。
よく言われているのが、下二桁を無くす「端数切り」です。数十万単位を無くし、支払いやすくします。売主としては余裕率を踏まえて金額を決めていますので、下二桁を無くしても十分に採算を取ることができるはずです。それ以上を聞いてみても構いませんが、慣れていないようなら端数切りで妥協するようにしましょう。
値引き交渉の失敗例
値引き交渉は必ず上手くいくわけではありません。交渉によっては残念な結果に終わる場合もあります。交渉を成功させるためにも以下の点に注意してください。
誠実では無い
メリットでも述べましたが、誰だって、無礼な人よりも誠実の人の方がいいです。無礼な人に、わざわざ善意で値引いてあげようと思う人は少ないと思います。
見学に遅刻をする、人の話を聞かない、勝手な行動をとる、わがままを言うなど、紹介する人が嫌になる行為はすべて厳禁です。「お客のために手助けをしてあげたい」と思ってもらえるように、礼儀正しく、好印象を与えるような対応をしましょう。
買う意志がないのに値引きする
値引き交渉は一種の駆け引きです。いかに安く購入するか、あるいはいかに値引きさせずに購入させるかを話し合う、互いに真剣な話といえます。
それなのに、交渉途中で突然購入を「やめる」というようでは信用問題に関わります。購入する意思もないのに値引き交渉したことで、遊びに来たと思われてしまいます。
一応、購入をやめて相手を焦らすという交渉テクニックはあります。ですが、それは、相手の足元を見る信用を無くすテクニックです。よっぽど上手くなければ恨まれる可能性が高い方法ですので、おすすめはしません。
遊びではないと証明するためにも、「購入する意思」をしっかり固めてから交渉するようにしてください。明確な意思があれば「購入してくれる」と売り手に伝わり、交渉しやすくなります。
値引き交渉の注意
一般的な値引き交渉は、交渉人を仲介し、買主と売主の間で行われます。買主の意向を交渉人が売主に伝え、その結果を連絡してくれます。そのため、交渉には多少のタイムラグが発生し、同時に購入できない可能性もできてしまいます。
なぜ、購入できないのかというと、交渉中は「まだ」購入していないからです。購入が決定していませんので、他の人が横やりを入れることもできるのです。
長く交渉することで、納得のいく値引きができるかもしれませんが、素早く動かないと別の誰かに取られてしまうこともありますので、注意が必要です。
値引きは売主との信頼の証
上記でも述べましたが、基本的に割引行為は損になります。誰だって高く売りたいですので、割安にしたいとは思わないでしょう。たとえ、売り主が「やっと売れた」などの下心があったとしても、購入する人にとっては値引きはメリットでしかありません。値引きに応じてくれたことに対して感謝する必要があります。
また、購入者と売主を中継する紹介者にも感謝は必要です。損でしかない取引を円滑にするのは、交渉人あってのものです。
交渉は一人でするものではありません。実際には、交渉人の工夫や、売り主の善意から成り立っているのです。それぞれの好意に応えるためにも、互いに信頼し納得しあえる値引き交渉にしましょう。