地盤が弱いとどうなる?地震に強い家にするための方法とは

地盤が弱いとどうなる?地震に強い家にするための方法とは

「床にビー玉を置くと転がる住宅」と言うと、「傾いた床」を連想する人も多いと思います。
しかし、そこで疑問になるのが、「床だけが傾いているのか?」それとも「建物そのものが傾いているのか?」と言った問題です。
と言うのも、床だけが傾いているのならば、建物の施工の悪さが原因になるのですが、建物そのものが傾いているのならば、地盤に原因があるとも考えられるからなのです。
今回は、そんな「地盤」について考えてみましょう。

地盤の大切さ

言うまでも無いことですが、家は地面の上に建設されます。そして、家の重量を考えるならば、相当な重さになります。地面はその重さを支えるのですが、その場合、地面には十分な強度が必要になります。地盤の強度です。

地盤が弱いとどうなるか?

まずは地盤が弱い場合・・・「軟弱地盤」についてですが、主なパターンとしては、泥や水分を大量に含んだ土からなる地盤を指します。地盤の強さは「地耐力」が目安になりますが、この値が2トン未満だと軟弱地盤とされます。
軟弱地盤の上に家を建てると地盤が家の重さを支えきれなくなり、地盤沈下の恐れが出て来ます。地震に強い家にするためにも、建物の基礎に工夫が必要になったり、地盤自体を改良する必要が出て来ます。

地盤と地震の関係性

一般に地盤の強い土地と地盤の弱い土地では、地震の時の揺れ具合が違って来ます。固い地盤であれば揺れは比較的少なくて済みますし、逆に地盤が弱いと地震の際のダメージは大きくなります。
だから、建物を地震から守ることを考えるならば、強い地盤の土地に耐震性の高い家を建てるのがベストです。また、耐震基準が今ほど高く無かった時代の建物でも、良い地盤の土地に建っているならば、地震の影響は比較的少なくても済むとも言えます。

弱い地盤はどんな所にある?

気になるのが、弱い地盤がどういった地域に分布しているか、と言うことですが、これは皮肉にも、生活の便の良い地域が弱くなっている場合が多いです。
と言うのも、人の多く住んでいる地域は、元々が水のあった地域だからです。地盤は水が多くなると強度が弱くなり、その様な水のある地域と生活の場が重なるのです。

地盤改良について

地盤が弱い場合には、そのままでは建物が建てられ無いため、地盤の改良工事が必要になります。
ここでは地盤の強度の測定方法と、地盤改良工事の方法について述べます。

地盤の調査の方法

地盤の強度は圧縮に対する強度ですが、測定としては「固さ」で測定されます。
簡易的な地盤強度の判断方法としては、スコップで地面を掘ってみて、その時のスコップの入り具合で強いか弱いかは、ある程度まで分かります。しかし、正確性を求めるならば、専用の測定機器の出番となります。
機械で計る場合は地盤に棒を差し込んで固さを計る方法や、ボーリングを用いる方法があります。

地盤改良工事の方法

地盤の強度が不十分である時には、補強工事が行われますが、工事方法としては「表面地盤改良工法」「湿式柱状改良工法」「小口径鋼管工法」の3つになります。
表面地盤改良工法は、弱い地盤が浅い場合に有効な方法で、セメント系の材料で補強する方法です。湿式柱状改良工法と小口径鋼管工法は、地中の固い地盤まで杭を打ち込む工法で、固い地盤の深さによって使い分けられます。

地盤改良工事の費用について

地盤改良工事の費用ですが、住宅を建てる場合にも、見積もりには「別途工事」と記載されている場合もあり、費用の見通しが立てにくいです。
ただし、一応の相場はあって、表面地盤の改良の場合は60~70万円前後、湿式柱状改良の場合は70~100万円、鋼管工法の場合は70~120万円くらいが多いです。
ただし、現場によっても土地の状態は様々なので、この金額はあくまで目安となります。