家の内見時のチェックポイントとは?住宅展示場との違いは?

家の内見時のチェックポイントとは?住宅展示場との違いは?

建て主が実際に建てた家を、一般の人に披露する内見会。住宅業界ではよくある催しで、完成見学会ともいわれます。

特に注文住宅でマイホームを考えている方は、住宅展示場とは違った発見がある内見会に足を運ぶ価値があります。

しかし、ただ足を運んだだけでは、見学しただけで終わってしまいます。折角の内見会がムダにならないよう、訪問時にはチェックすべきポイントを頭に入れておくことをおすすめします。

今回は、内見会のチェックポイントについて解説します。

住宅展示場との違い

まずは、内見会と住宅展示場、その違いをはっきり理解しておきましょう。

各住宅会社が力を入れている住宅展示場。他社よりも見劣りしないよう高価なものをしつらえ、いわゆる「オプション」仕様で作られています。

一方の内見会は建て主の希望が反映されているものの、標準仕様がベースになっています。

また、住宅展示場は、土地の方角に関係なく、南向きを想定した間取りで建てられているものがほとんど。というのも、玄関とアプローチ、建物の前に広がる庭という構図だと住宅が映えるからなのです。

実際は、すべての土地が南向きではないので、玄関を北側に設置することもありますし、土地の形状によって間取りも考えられます。

当然ながら家のイメージは異なり、千差万別、十人十色といってよいでしょう。ですから、内見会では土地の形状にあわせた工夫がされています。

住宅展示場よりも内見会の住宅は、現実的に建てられた家というわけです。

内見のときのチェックポイントとは

それでは、実際に内見会に足を運んだ際のチェックポイントを考えてみましょう。

よくあるのが、自分の好みとは違う建物という理由で、「ここはダメだな」と判断してしまうことです。

あなたと建て主とは、立地条件、予算、住まいづくりの考え方、家族構成が違うところがたくさんあります。価値観や生活スタイルが違えば、家のイメージが違うのは当然です。好みの違いからしっくりこない点があることを前提に見学しましょう。

「それでも見る価値があるの?」と疑問に思われるかもしれませんが、内見会でいちばんのチェックポイントは、建て主の要望に、住宅会社がどのように応えたのか、どのような工夫がなされたのか、その企画提案力や実行力。それを見るところに価値があるのです。

内見会では、必ず建て主の家族構成や価値観を確認したあと、こう質問してください。

「建て主さんはどのようなこだわりを持った方ですか?」

「そのこだわりについて、どのような提案をされたのですか?」

こういったやりとりのなかから、住宅メーカーの対応力や提案力を見極めていきます。

さらに、自分のこだわりについて、どういう住まいになるのか質問してみます。
例えば、このような感じです。

「ウチは娘がピアノを弾くんだけど、この家でピアノを置くとしたらどんなプランになりますか」

質問はできるだけ具体的な方がいいです。回答に納得ができたら、検討すべき1社に加えましょう。

「坪単価」は必須確認ポイント

住宅展示場はオプション仕様にアップグレードされていますが、内見会の住宅は標準装備が中心に建てられている場合が多いです。まずはキッチン、風呂、トイレの住宅設備が標準であるかどうかを確認します。

あわせて、建築費用がどのくらいなのか聞きます。建築費用を延床面積で割れば、坪単価が出ますよ。

坪単価は家が大きくなると低くなり、狭くなると高くなるため、間取りの広い住宅展示場の坪単価を聞いても実のところ参考になりません。しかし、内見会は実際に建てた家ですから、ここで聞いた坪単価は、とても参考になるのです。

それ以外に、廊下や階段の幅は通りやすいか、キッチンの動線はスムーズか、段差はないか、採光や収納はどうかなど、実際に自分がここで住んだ場合をイメージします。取り入れたい要素はメモや写真を撮って記録します。

また、家の中だけでなく、窓から外を見ることも重要です。窓があっても隣の家がじゃまになってほとんど意味をなさない、またはまったく同じ位置に取り付けて隣から丸見えなんていうのは論外です。

こういった配慮がなされているかどうかも、住宅会社の設計力がわかるチェックポイントです。

今回紹介したチェックポイントを参考に、ぜひ内見会に足を運んだ際に役立ててください。見方によっては、内見会は、住まいづくりのヒントの宝庫なのですから。