住宅の間取りには様々な種類がありますが、基本的な間取りがあるのを知っていますか?基本的な間取りはどのような間取りなのか、また、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
タイプ:1「センターイン」
センターイン型の間取りは、玄関が住宅の中央にあるのが特徴です。玄関を中心に左右に部屋が広がっていきます。シンメトリーな場合もあればアシンメトリーの場合もあり、特に昔の一軒家でよく見かけるタイプです。
メリット
玄関が中央にあることで、どの部屋へも行きやすくなっています。また、増改築しやすく、間取りを自由に設計しやすいです。そのため、部屋それぞれを独立させたり、廊下を少なくし部屋の面積を多く取るなど、様々な工夫がしやすくなっています。客室と寝室を左右で分けることで、プライベートも守りやすいです。
デメリット
センターイン型の間取りは、玄関を囲むように建築されていますので、玄関周りの見通しが悪くなります。場合によっては泥棒や不審者などの不安があるかもしれません。また、増改築や部屋に特徴を持ちやすい分、建築費や維持費が少しかかります。シンプルにしてコストを抑えるのも一つの手ですが、せっかくのセンターイン型の間取りの利点を損ねてしまうのは勿体ないです。
他にも、間取りによっては生活導線が取りにくかったりしますので、購入前にシミュレーションすることをおすすめします。
タイプ:2「ワイドスパン」
ワイドスパン型の間取りは、バルコニーが約6~8mと、広めであることが特徴です。欠点らしい欠点が無いため、多くの住宅で設計されています。
メリット
バルコニー、つまりはガラス戸が大きいため、採光や換気がしやすくなります。また、部屋自体も大きいので、模様替えなどが自由にできますよ。子供を部屋の中で遊ばせやすく、小さい子供がいる家や、家族の団欒を大切にしている家族におすすめできます。
デメリット
ガラス戸のある部屋が大きくなりますので、部屋数が少なくなります。そのため、大部屋で過ごすことが多くなり、個人のプライバシーが薄くなってしまいます。また、建築数が少なく、購入費用が少々高額です。
タイプ:3「田の字プラン」
田の字プラン型の間取りは、「田」の字のように大きく間取りが区切られているのが特徴です。洗面所や押し入れなど、細かな部屋は省きますが、リビングや寝室などの主要な部屋が廊下などで区切られています。また、リビングを広げたワイド型の田の字プランもあります。設計しやすいことから、アパートやマンションなどの集合住宅でよく見かける間取りです。
メリット
部屋を廊下や洗面所などで区切ることで、各部屋の独立性が高くなります。隣も部屋の音を気にする必要はありません。また、ワイド版になることでリビングを広く使え、採光や換気もしやすくなります。他にも、最もポピュラーであるため、金額が割安で購入しやすくなっています。
デメリット
廊下を挟むことで部屋同士の音を聞こえにくくしていますが、すぐ隣の廊下からは聞こえてしまいます。廊下は共同スペースですので、場合によっては一家全員に部屋の様子が知れ渡ってしまいます。また、廊下側の採光がしにくくなります。換気も上手くいかない場合も多いです。
ワイド版で採光や換気がしやすくなっていますが、それもリビングまでです。同じように奥の部屋では、廊下側の採光や換気は上手くいきません。採光や換気を考えるのなら一工夫が必要になるでしょう。
タイプ:4「角住戸」
角住戸型の間取りは、マンションなどの集合住宅で、角(隅)にある住宅の事です。マンションの角に面していますので、数はもっとも少ないです。そのことから希少性があるといえます。
メリット
角住戸はマンションの角に面していますので、2~3方面へ窓を設けることができ、採光や換気がしやすくなっています。また、バルコニーなども広く取りやすく、部屋の外まで開放的にしてくれます。
他にも、角住みであることで外を歩く人が少なく、他者からプライバシーを守りやすくなります。
デメリット
角住戸は採光・換気がしやすく、プライバシーを守りやすいことから人気の住宅です。そのため、競争率が激しく、希少性も合わせて物件価格が高くなります。また、2~3方面へ窓を設けることができますが、逆に壁面が少ないといえます。家具の配置が難しくなるだけではなく、陽光による劣化や、暑さ対策を気にしなくてはなりません。
最も優れている間取りは?
基本の間取り以外にも様々な間取りがあります。そのため、どれが一番いい住宅なのか気になるかもしれません。ですが、もっともすぐれている住宅はありません。どれも一長一短あり、生活習慣によって変わってくるからです。「住めば都」という言葉がありますが、自分で選んだ部屋が一番優れているのかもしれません。
間取りは生活習慣に大きく影響をします。最終的には慣れてしまうと思いますが、それぞれのメリット・デメリットを見比べて「購入してよかった」と思える間取りの家を選びましょう。