物件の購入するために色々な物件を見ていると、条件が良さそうなのに価格が安い物件を見つけたことはありませんか？「お買い得物件だ」と内容をよく確認せずに購入すると後でトラブルに発展する場合があるので注意が必要です。
そこで今回は、物件を購入する際に土地に何らかの制限が加わっている場合に資産価値に大きな影響を与える項目について詳しく解説していきます。
建蔽率・容積率違反とは
建物は、用途地域ごとに建蔽率と容積率というものが事前に定められていて、その範囲内の建物しか建てられないように決まっています。しかし、用途地域が変更になったり、基準が緩かったこの建物であったりすると、建蔽率や容積率に違反している場合があります。
建蔽率や容積率に違反しているからといって、売買が禁止されているわけではありません。しかし、建蔽率や容積率に違反している場合は、建て直しの際に建蔽率や容積率の範囲内に収めなければならないため、現状よりも小さい建物になってしまいます。
また、行政から是正措置を求められる可能性があるだけでなく、住宅ローンの融資を受ける際に違法建築物ということで融資対象外になる可能性もあるので注意しましょう。
セットバックとは
建築基準法では、道路の幅が4m以上ないと道路として認めていません。そのため、建物を建てる際は道路が4m確保できているかどうかがポイントになります。
もし、道幅が4mない道路で、道路を挟んだ反対側が住宅の場合は、道路の中心から2m後退しなければなりません。また、もし道路を挟んだ反対側が川や線路などの場合には、道路の端から4m後退しなければなりません。これがセットバックです。
セットバックの要件を満たしていない物件を購入すると、建て直しの際にセットバックの要件を満たす必要があるため、現状よりも小さい建物になってしまいます。また、その時は安く購入したつもりでもセットバック後の土地が本来の面積になるため、割高の可能性もあるので注意しましょう。
接道とは
建物を建てる際は、4m以上の道幅がある道路に2m以上接している必要があります。これが接道義務と呼ばれるものです。
建物を建てた当初は接道義務を満たしていたものの、宅地の造成などによって接道義務を満たしていない物件が売りに出されている場合があります。これらの物件は、建築基準法の接道義務を満たしていないことになるため、売買できても建物が古くなったからといって建て直しができないので注意が必要です。
日常生活を送る分には何の問題もありませんが、日本が地震大国であることを考慮すると、地震で建物が大幅に傷んだ場合には、傷んだ箇所を修繕できても建て直しができないのは大きなリスクと言えるでしょう。
土地や建物の権利とは
住宅を建てる際は、土地や建物を担保に住宅ローンを契約するのが一般的です。そのため、住宅ローンを完済していないと、土地や建物に抵当権が設定されたままになっています。
売主は、売買が成立すると売却代金を住宅ローンの返済に充てて、設定されている抵当権を除いた状態で引き渡すのが通常です。しかし、中には抵当権付きのままで購入するケースもあるので注意が必要です。
抵当権付きの土地や建物を購入すると、売主の返済が滞った場合は、土地や建物の抵当権を設定している金融機関などに競売にかけられてしまう可能性があります。競売を免れたとしても、抵当権の原因になっている借金を肩代わりしなければならないなど、無駄な出費が増えてしまうことになるので注意しましょう。
「SelFin」を活用して問題のある土地かどうかをチェック
「SelFin（セルフィン）」とは、AI（人工知能）が不動産の資産価値やリスクを瞬時に判断してくれる物件のチェックツールです。SelFinを活用することによって知ることができる主な情報は以下の通りです。
- 価格の妥当性
- 対象不動産の流動性
- 耐震性
- 住宅ローン減税の有無
- 管理状況（マンション）
- 土地の資産性（戸建て）
問題のある土地かどうかはどのようにして分かるのでしょうか？
「SelFin」で調べた土地の資産性をチェック
SelFinを活用することで知ることができる情報の1つに土地の資産性があります。土地の資産性の項目には、建蔽率・容積率違反、セットバック、接道、土地の権利といった情報が記載されています。
問題がない場合には、青い背景で問題がないことについて記載されていますが、問題がある場合には、赤い背景に赤文字で注意事項を記載してくれているため、注意すべき事項であることが明確に分かります。
また、物件情報で見落としがちな「不明」と記載されている項目には、どのような点に気を付けるべきか記載されているため、見落したことによって後でトラブルに発展することを防いでくれるでしょう。
土地に制限のある物件は、比較的割安で市場に出ているため、目に留まりやすくなります。しかし、何も知らずに購入すると、建て直しできなかったり、制限のある土地であることが理由ですぐに買い手が見つからなかったりします。SelFinをうまく活用することによって問題のある物件かどうか事前にチェックすることが重要と言えるでしょう。