海外の家は、広いリビングに階段が設置されており、リビングから声をかけると子供たちが下りてくるといった光景がよく見られます。日本は海外の家よりリビングが狭く部屋数が多いのが特徴ですが、リビング階段は合うのでしょうか?
そこで今回は、リビング階段を導入する際におけるメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
リビング階段はデザインが豊富
階段は上階に移動するために必要な設備ではあるものの、あまりスペースを取りすぎると他の部分のスペースを狭めてしまうことになります。
そのため、注文住宅で間取りを決めていく場合には、余ったスペースに階段を設置するため、機能性やデザイン性が優れていないものが多いのが一般的です。
リビング階段は、リビングに階段を設置する前提で間取りを決めていくため、様々な階段を設置できます。例えば、リビングに螺旋階段を設置した場合には、上階に上がるのに必要な空間が少なく抑えられるだけでなく、見た目もおしゃれなリビングにできるでしょう。
リビング階段を導入するメリット
リビング階段を導入するメリットはどのようなものがあるのでしょうか?リビング階段を導入する主なメリットは以下の通りです。
- 家族のコミュニケーションが増える
- 開放的な空間ができる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
家族のコミュニケーションが増える
玄関から入ってすぐ階段が設置されている家が多いのが一般的ですが、そのような構造になっている場合には、家から帰ってきてもすぐに自分の部屋に行ってしまうと「ただいま」「お帰り」のやりとりすらなくなる可能性があります。
リビングに階段が設置されている場合には、自分の部屋に行く前にリビングを通る必要があるため、子供の様子を確認しやすくなるだけでなくコミュニケーションが増えるというメリットがあるでしょう。
開放的な空間ができる
リビング階段を設置する場合は、リビングの天井の2階部分はなくし吹き抜けにするのが一般的です。吹き抜けにすることで天井高がかなり高くなるため、一般的なリビングよりも開放的な空間を満喫できるでしょう。
「リビング階段を選択することで圧迫感が生まれるのでは?」と気になった人もいるかもしれませんが、スケルトンタイプの階段にしたり、螺旋階段にしたりすれば、視界の抜けが生まれるため、圧迫感が気にならなくなります。
リビングは家族の安らぎの空間です。リビング階段を設置して開放的な空間にすることは大きなメリットがあると言えるでしょう。
リビング階段を導入するデメリット
開放感があってデザイン性にも優れているリビング階段はデメリットがなさそうですが、どうなのでしょうか?リビング階段を導入する主なデメリットは以下の通りです。
- 来客時に家族のプライバシーが守られない
- 調理のにおいが上階に漂ってしまう
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
来客時に家族のプライバシーが守られない
応接間を設置している家が最近は少なくなっているため、来客時にリビングにお客さんを通すのが一般的になっています。
そうなると、子供が上階から降りてきて飲み物を飲んだりトイレに行ったりする際に毎回リビングにいるお客さんと目を合わすことになります。
また、子供の友達が遊びに来て上階の子供部屋に行く際も、リビングを必ず通ることになるため、リビングを常に片付けておかなくてはならないなど、煩わしく感じる場合もあるので注意しましょう。
料理のにおいが上階に漂ってしまう
リビングとダイニングに仕切りがある場合は問題ありませんが、リビングとダイニングが一体になっている場合は料理のにおいが上階に漂いやすくなります。
また、冬場には上階の冷たい空気が降りてくるだけでなく、温かい空気が上階に昇っていくことになるので、リビングが寒くなりやすいのもデメリットです。
吹き抜けを採用した場合は、採光が抜群であるためリビングが明るい雰囲気になりますが、夏は日差しで室温が高くなります。また、空間が広くなることで冷暖房効率が悪くなるため、電気代が高くなるのも大きなデメリットと言えるでしょう。
導入する場合は生活動線などを配慮
築年数がある程度経過してくると、リフォームやリノベーションで家の雰囲気をガラッと変えることができますが、階段の位置を変えることはほとんど不可能と言えます。そのため、どこに階段を設置するのかは、最初にしっかりと決めておく必要があると言えるでしょう。
リビング階段を設置する場合は、デメリットの数をいかに少なくするかが重要です。例えば、家族のプライバシーを守るためには、家の中での家族の動線を考えて、なるべくお客さんと合わないように家具を配置したり階段を配置にしたりする必要があります。
また、日差しによる温度上昇に対しては、電動式ブラインドを設置することで室内の温度が高くならないように調整できます。また、冷暖房効率に対しては、ファン付きの照明器具を設置することで室内の空気を循環させることが可能です。
リビング階段にした場合のメリットとデメリットをよく考え、デメリットがある場合にはどのような対策が考えられるのかを事前に考えておくと、設置後のトラブルを防ぐことができるでしょう。