2019年の税制改正でどう変わる?不動産の取得に関する税制の変更点とは

2019年の税制改正でどう変わる?不動産の取得に関する税制の変更点とは


2019年の10月に消費税が8%から10%に引き上げられることが予定されています。前回の5%から8%に消費税が引き上げられた際は、住宅ローン減税の拡充やすまい給付金制度の導入などで、3%の増税分に対する税制対策が行われました。今回の2%の増税分に対してどのような税制対策が予定されているのでしょうか?

そこで今回は、2019年の税制改正で、不動産に関するどのような変更が予定されているか詳しく解説していきます。

税制改正とは


税制改正とは、現在制定されている税制を時代の流れに合わせて順次見直しを行っていくことです。日本では1年に1回税制改正を行っています。

おおよその税制改正の流れについて説明すると、前年度の夏頃までに各関係省庁から税制改正要望が提出されて12月頃までに与党から税制改正大綱が発表されます。そして、2月頃に税制改正法案が国会に提出されて審議や採択を経て4月に施行されるのが一般的です。

そのため、記事を書いている2019年の1月時点では、まだ税制改正大綱の段階であるので、実際に採択されるかどうかは未定です。しかし、2019年は消費税の増税が控えているため、どのような改正内容が2019年の税制改正大綱に盛り込まれているのかあらかじめ把握しておくことが重要と言えるでしょう。

5%から8%に増税された時の税制対策とは


前回消費税が5%から8%に引き上げられたのは2014年の4月1日でした。この年の税制改正では不動産に関する税制の変更点として、以下の3つが盛り込まれていました。

  • 住宅ローン減税の拡充
  • すまい給付金制度の導入
  • 贈与税非課税枠の導入

それぞれの変更点について見ていきましょう。

住宅ローン減税の拡充

消費税5%が適用されていた平成26年3月末までは、住宅ローン減税として毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうち、いずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡って所得税の額から控除されていました。

消費税5%の頃は、10年間の最大控除額が一般住宅で200万円、長期優良住宅で300万円でしたが、消費税が8%になったことで、10年間の最大控除額が一般住宅で400万円、長期優良住宅で500万円控除するという拡充措置が取られました。

すまい給付金制度の導入

すまい給付金制度とは、増税によって買い控えを発生させないための対策として、増税後の住宅を取得する場合に増税による負担を軽減するための現金を給付する制度です。

条件を満たした住宅を取得する場合は、最大で30万円を受け取ることができるものです。将来的な10%の増税を見据えて、2014年の4月から2021年の12月まで実施されています。

贈与税非課税枠の導入

贈与税非課税枠の導入とは、住宅を購入するにあたり、父母や祖父母などから金銭の授受を受けた場合に最大で1,200万円までの控除が受けられるものです。

このように増税後でも住宅を取得しやすい環境を整えることが、税制対策に盛り込まれていましたが、2019年の税制改正大綱にはどのような内容になっているのでしょうか?

今回の増税に対する税制対策とは


消費税が8%から10%に増税されるのは、消費税が5%から8%に増税されたタイミングで既に決まっていたことです。そのため、消費税の10%の増税に合わせて以下の2つは既に決まっています。

  • すまい給付金の拡充
  • 贈与税の非課税枠の大幅な拡充

5%から8%に消費税が増税された際に設けられたすまい給付金制度ですが、消費税8%の現在では最大30万円給付されますが、10%の増税に合わせて最大50万円まで拡充されることが決まっています。

贈与税の非課税枠については、消費税8%の現在では最大1,200万円が控除されますが、10%の増税に合わせて最大3,000万円まで大幅に拡充されることが決まっています。

今回2019年の税制改正大綱に盛り込まれる予定なのは、住宅ローン控除期間の延長です。その内容について見ていきましょう。

住宅ローン控除期間の延長

消費税が8%の現在では住宅ローン控除の適用期間は10年ですが、10%の増税に合わせて13年に延長することが大綱に盛り込まれています。

消費税が10%に引き上げられた後も最初の10年間は現行制度の計算式が採用されますが、残りの3年間の計算式が以下のように異なっているので注意が必要です。

一般住宅の場合には、ローンの年末残高(最大4000万円)×1%または建物購入価格(税抜最大4000万円)×2%÷3年のいずれか少ない金額が適用されます。

長期優良住宅の場合には、ローンの年末残高(最大5000万円)×1%または建物購入価格(税抜最大5000万円)×2%÷3年のいずれか少ない金額が適用されます。

どちらも3年かけて2%の増税分を還元していくものですが、計算が少し複雑になるため、増税後に不動産の取得を予定している人は、不動産会社に相談した方が良いでしょう。

まだ確定していないので要注意


住宅ローン控除期間の延長は、2019年の税制改正大綱に盛り込まれているだけで、正式に決まったわけではないので注意が必要です。

今回も増税前の駆け込み需要が予想されますが、今回は前回よりも増税後の対策が手厚くなっているため、増税前と増税後のどちらで購入すればいいのか判断が難しいと言えます。

住宅の購入金額によって異なるほか、不動産会社の増税後の割引などで大きく異なるため、よく考えた上でどのタイミングで住宅を取得するか決めるようにしましょう。