バリアフリーへのリフォームにはお金がかかります。手すりやスロープの設置、滑りにくい床の張替えなど、本格的に行うとお金はいくらあっても足りないでしょう。
そんな時に助かるのが助成金です。全額とまではいきませんが、ある程度負担をしてくれることにバリアフリー化がしやすくなります。
そんな助成金についてですが、実は減税制度もあるのを知っていますか?費用が負担されるだけではなく、さらに減税によってバリアフリー化がしやすくなるのです。一体、どのような助成金や減税制度があるのでしょうか?
助成金制度とは
助成金とは、地方公共団体から支給されるお金のことです。高齢者や障害者など、一定の条件に含まれる人に対してお金を支給します。
よく補助金と同一視されやすいですが、厳密には違い、補助金は条件がそろえば無条件に支給されるのに対して、助成金は審査に合格しなければ支給されません。他にも、管轄が違ったりなど細かな違いもあります。
どちらもお金を支給してくれますのでわかりにくいですが、それぞれ別の制度ということを覚えておきましょう。
助成金の対象者
助成金の対象者は「要支援者」と「要介護者」に該当する人になります。要支援者と要介護者とは、「普段の生活において、介護や支援が必要なレベルを表した表記」のことです。
簡単に言えば、難聴で聞き取りにくければ要支援対象で、眼が見えなければ生活に支障が出ますので要介護対象というわけです。
それぞれランクがあり、ランクが高い程生活が困難になります。それによって助成金も変わってきますので、助成金の申請の前には要支援・要介護レベルの登録を行っておきましょう。
助成金の対象リフォーム
助成金の対象となるリフォームは、バリアフリー全般になります。手すりの設置、段差の改善、扉の交換、床材の張替え、風呂場やトイレの改修など、あらゆるバリアフリーが対象となります。もちろん、耐震、エコシステムも対象内です。
助成金が支給されればリフォームの負担も減りますので、生活しやすい環境を整えることができます。
ちなみに、二階増設など、バリアフリー以外の事は対象外です。要介護者であっても助成金は出ませんので、勘違いしないようにしてください。
減税制度とは
住宅リフォームをする際、一定の条件を満たしていることで、減税対象になることがあります。減税対象となるのは、「所得税」「固定資産税」「贈与税」の3つです。
所得税の減税
最も減税対象となりやすいのが所得税の減税です。主に、一括でリフォームした場合の「投資型」と、ローンを組んだ場合の「ローン型」に分けて減税を考えます。
投資型
投資型は工事費用の10%を所得税から減税されます。ただし、最大200万円までで、それ以上は減税されません。
大量にリフォームすればそれだけ減税できると思われがちですが、限度があることに注意しましょう。
ローン型
ローン型は年間12.5万円が所得税から減税されます。最大5年間有効で、合計62.5万円が最大減税額です。
ローン型は投資型とは違い12.5万円減税されます。そのため、年間ののリフォーム代が120万円以下の場合はローン型の方が得といえるでしょう。ローンを組むと金利などが増えてしまいますが、覚えておくといいかもしれません。
固定資産税の減税
固定資産税は3分の1が減税されます。ただし、「家屋面積が100㎡相当分まで」と条件があります。また、固定資産税ですので、土地代は含みません。あくまでも現在住んでいる住宅に対してという事を間違えないようにしましょう。
贈与税の減税
贈与税とは、親子間や夫婦間で資金受け渡しに対して発生する税金の事です。本来なら110万円以下の贈与でなければ贈与税が発生してしまうのですが、リフォーム資金への提供など、特定の条件に対してのみ、税金が非課税になります。正確にはバリアフリーに対する減税ではありませんが、上手く活用していきましょう。
助成金の注意点
リフォームの負担をしてくれる助成金ですが、活用するためにはリフォーム前に申請しなければなりません。また、お金の支給はリフォームの支払い後になるためリフォーム費用は自前で用意する必要があるなど、単純に「安くリフォームできる」というわけではありません。他にも、他の補助金と併用できなかったりなど、制限がある場合もあります。
助成金の仕組みを理解し、よりお得になる組み合わせになるよう、助成金を上手く利用してください。