トイレの音はどこから聞こえる?マンションのトイレの音漏れ対策

トイレの音はどこから聞こえる?マンションのトイレの音漏れ対策

マンションに住んでいると、どこからともなくトイレの音が聞こえてくる場合があります。眠りが浅いと流れる音で目が覚めてしまったり、来客中に流すのが恥ずかしかったりしたという経験がある人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、トイレの音がなぜ聞こえやすいのか、トイレの音漏れ対策法とともに詳しく解説していきます。

主な音の伝わり方は2種類

トイレの音はどうやって聞こえるのでしょうか?真空状態では音が聞こえないと言われていることを考えると、音は空気を振動させることで伝わることが分かります。

また、工事の音などは、窓を閉めていても伝わってくることを考えると、壁や床などを振動させることで伝わることも分かります。

このように、音の伝わり方には、空気を振動させることで伝わる空気音と壁や床などを振動させることで伝わる固体音の大きく2つに分けられるため、これらの原因を特定してから対策を練ることが必要と言えるでしょう。

トイレにおける空気音

トイレは個室空間であるため、空気を振動させて伝わるということは少なそうですが、実は完全な個室空間というわけではありません。

マンションは、気密性が高い構造であるため、湿気が高く、ダニやカビなどが繁殖しやすい環境です。また、トイレは、個室であるほか水が常にあるなど、さらに湿気がこもりやすい環境であるため、ダニやカビを繁殖させない工夫が求められました。

そのため、トイレのドアをよく見てみると、下に少し隙間があります。換気扇を回してこの隙間から空気を取り込むことで、トイレ内の空気が循環するため、ダニやカビを防ぐことができるようになりました。

しかし、この隙間がトイレの音漏れの原因を生み出しているので、この隙間をどうするかがポイントと言えるでしょう。

トイレにおける固体音

トイレは空気音だけでなく固体音も発生します。マンションは建物が大きいため、鉄骨造か鉄筋コンクリート造が採用されていますが、鉄骨造は隙間があるため、空気が振動しやすく壁自体が揺れやすいため、音が伝わりやすいのが特徴です。

反対に、鉄筋コンクリート造は、隙間がコンクリートで埋められているため、空気の振動が発生しにくく壁自体も揺れにくいため、音が伝わりにくいのが特徴です。

建物の構造は、トイレの音漏れに限らず上階の音漏れにも関係してくるため、建物の構造を事前に確認することに加え、壁に振動が伝わらないようにすることもポイントと言えるでしょう。

音漏れの対策方法は全部で3つ

具体的な音漏れ対策にはどのような方法があるのでしょうか?音漏れ対策には主に以下の3つがあります。

  • ソフトテープでドア下の隙間を塞ぐ
  • 防音シートで壁の振動を減らす
  • 擬音装置を置いて音を紛らわす

それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。

ソフトテープでドア下の隙間を塞ぐ

ホームセンターなどで手に入る柔らかい素材でできているソフトテープをドア下の隙間に貼り付け、隙間を塞ぐという方法です。

下の隙間を塞ぐことで空気音を原因とする音漏れを防ぐことができますが、この際に使う素材が硬いと床を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要です。

また、あまりにも密閉しすぎてしまうと、ドアを閉じている際に換気扇を回すとトイレ内が陰圧になります。外開きの扉の場合は開きづらくなるので注意しましょう。

防音シートで壁の振動を減らす

防音シートもソフトテープ同様、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。防音シートを壁に貼り付け、壁が振動することを防ぐというという方法です。

防音シートはどのくらいの防音性能を備えているかによって、価格だけでなく防音効果も変わってきます。しっかり下調べしてから防音シートを選ぶようにしましょう。

擬音装置を置いて音を紛らわす

擬音装置と言われてもピンとこない人も多いのではないでしょうか?擬音装置とは、商業施設といった屋外のトイレによく設置されているもので、ボタンを押すことでメロディや流水音が流れてトイレの音が紛らわされるというものです。

他の方法と比較すると、音を紛らわせるだけであるため、根本からの解決にはなりません。そのため、根本からトイレの音を改善したいという場合は、ソフトテープでドア下の隙間を塞いだり防音シートを壁に貼り付けたりするようにしましょう。

過度に手を加えないように注意

戸建住宅の場合には、大掛かりな工事を行ってトイレの音漏れを改善することができます。しかし、壁やフローリングの防音性能を高いものに変えるなどの作業を行う場合には、共用部分の変更や管理規約に違反に該当する場合があるため、勝手に行わないように注意しましょう。

ソフトテープで隙間を塞ぐ、防音シートを壁に貼り付ける、擬音装置を付けるなどの手段は、全て専有部分に関することなので問題ありません。

しかし、ドア下の隙間を塞ぐというのは空気音の対策で、防音シートは固定音への対策です。空気音の対策だけを行っても、水を流した場合の固定音を防ぐことができず、逆に固定音の対策だけを行っても、トイレから漏れる音を防ぐことができません。

どちらか一方の対策で十分なのか、両方必要なのか、よく考えてから対策を練るようにしましょう。